現在表示しているページ
ホーム > 診療グループ紹介 > 消化管グループ
ここから本文です

消化管グループ

我々消化管グループでは、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸の病気の検査?治療を行っています。

主な診療内容について

近年、内視鏡(カメラ)機器や技術の発達は著しく、以前よりも早期の段階で病変を発見できるようになり、従来は外科手術が必要であった病変でも早期であれば内視鏡で治療できるようになりました。

また、内視鏡も以前と比べて細くなり、患者様もより楽にカメラを受けることができるようになってきました。 当グループで行っている診断?治療を御紹介します。

消化管腫瘍に対する内視鏡治療

我々が特に力を入れて行っている早期がんに対する内視鏡治療は、口あるいは肛門から内視鏡を挿入し、先端部から器具を出して、がんを切除する方法です。主に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という最も技術を要する手術を行っています。おなかを切る外科手術に比べて体への負担が軽く、胃や腸の大きさや機能が保たれることから術後の後遺症が少ないのが特徴です。和歌山は全国でも有数の高齢者の多い県であり、このような内視鏡治療は高齢者の生活の質(QOL)を損なわない治療として、最近ますます需要が増えています。

当科では、この手技をできる術者が8人在籍し、このように多数の専門医が常勤する施設は多くありません。また、大きな病変や、内視鏡操作が困難で、他院では手術しかないと言われた難しい病変を含め、数多くの症例を御紹介頂き、大きな合併症なく局所切除を得ています。更に、我々は若手医師の指導にも重点をおいています。動物臓器を用いたハンズオントレーニングで修練を行い、指導医の下、手技の介助?術者となり、内視鏡医の育成にも熱心に取り組んでいます。

ヘリコバクターピロリ菌について

日本人に多いとされる胃癌の原因のほとんどはヘリコバクターピロリ菌と言われています。ピロリ菌により胃粘膜に炎症や萎縮が生じ、胃癌の発症につながります。我々消化管グループは血液検査(ペプシノーゲン法)を用いた胃癌のリスク分類という方法を全国に先駆けて考案しました。また、胃癌のできやすい方を明らかにするため、健康な人や胃癌治療後の人を丁寧に追跡調査した臨床研究を世界に発信し、国際学術誌の表紙を何度も飾るなどの成果をあげています。

食道?胃静脈瘤に対する内視鏡治療

和歌山は全国の中でもC型肝炎をはじめとした肝疾患の患者様が多い県であります。肝硬変の合併症の一つに、静脈瘤という食道や胃の壁の中に血管のこぶのようなものができることがあり、そのまま放置すると破裂し、大出血を起こすことがあります。そうなる前に、予防的に内視鏡を用いて静脈瘤の中に硬化剤という薬を注入し、固めて治すという方法(内視鏡的静脈瘤硬化療法)を積極的に行っている全国でも有数の施設であります。

抗がん剤治療について

我々は、日本のがん診療ガイドラインに基づいて様々な消化管癌に対する抗がん剤治療を行っています。

炎症性腸疾患(IBD)

IBD専門医である加藤准教授を筆頭に、IBD診療において経験を積んだ医師が診療に当たっています。上下部内視鏡のほか小腸カプセル?バルーン内視鏡等、疾患の診断?病態把握に必要な幅広い検査を行い、また抗TNFα抗体、血球成分除去療法などを用いた最新治療の提供することはもちろんのこと、国際共同治験を含む新薬の臨床試験にも参加しており、従来の治療では対応困難な難治?重症例のほか、小児?高齢者?妊婦さんなど幅広い診療を行っています。

さらに看護師や薬剤師、栄養士など、医療関係者が密に連携して患者さんの生活の質の向上のために協力して診療にあたるとともに、地域の開業医の先生方や関連医療機関との医療連携を効率的に進めていく体制を整えています。 IBDは良性の疾患であり、生命に関わる病気ではありません。だからこそ、患者さんが病気に邪魔されることなく、楽しく日常生活を送るにはどうしたらいいかを患者さんと一緒に考え、応援していけるような治療を心がけ日々診療にあたっています。

小腸内視鏡

通常の内視鏡検査では観察不可能と言われた小腸領域に関しては、近年カプセル内視鏡とバルーン内視鏡の登場により、全小腸を直接内腔から観察することが可能になりました。当科でも、一早くこの二つの内視鏡を導入し、原因不明の消化管出血をはじめ、診断困難であった小腸疾患に積極的に取り組んでいます。さらに、小腸内視鏡を応用し、腹部手術後の胆管疾患などにも治療の幅を広げています。

今後ますます消化器疾患における内視鏡検査?治療の占める割合は増えてくるものと予想されます。我々消化管グループは、全国の他の最先端診療を実践している病院と積極的に交流し、そこで内視鏡研修を積んだ内視鏡専門医?指導医も加わって、全国でも有数の診療実績を誇っています。また、学会?セミナー等にも積極的に参加?主導し、常に最先端の知識?技術や最新の内視鏡機器を取り入れることで、患者様に最高水準の医療を提供できるよう日々努力しております。