入局のご案内

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入局希望の皆さんへ

はじめに

近年、著しい増加傾向にある前立腺癌をはじめとする尿路性器悪性腫瘍、高齢化社会に伴って増加の一途にある前立腺肥大症や神経因性膀胱による排尿障害、本邦でも社会的認識の高まりつつある男性性機能障害など、泌尿器科医療のニーズは益々高くなってきています。泌尿器科はまさしく21世紀を担う重要な診療科のひとつであると考えられます。しかしながら、一般外科と異なり、全国的に勤務医、開業医とも不足しているのが実情であり、当教室においても将来有望な若手医師を広く募集しています。

泌尿器科ってどんな科?

友人の泌尿器科医にこんな話を聞いたことがあります。「泌尿器科に入局することにしたと話したら、両親に『どうしてせっかく医者になったのに、わざわざそんな性病や性機能ばかりを扱う診療科に進むのか』と言われた。」やはり、世間一般には泌尿器科はいまだにそのようなイメージなのでしょうか。もしかすると、学生や研修医の皆さんの中にもそのようなイメージを抱いている方もいるかもしれません。

もちろん、性感染症や性機能も泌尿器科の重要な分野であることに間違いはありません。ですが、泌尿器科は副腎、腎、尿管、膀胱、前立腺、精巣、陰茎といった多岐にわたる臓器の、非常に幅広い疾患を対象としています。悪性腫瘍、尿路結石症、感染症、排尿機能、腎移植、先天奇形など…性病や性機能だけではありません。

泌尿器科の楽しさ?魅力といえば、何より「自己完結型の診療」という一言につきると私は考えています。「患者の症状から診断をつけ、重症度を評価し、治療方針を決定し、必要に応じ手術を行い、術後のフォローを行う」といった、一連の診療の流れを自分の科で完結することができるのは、非常に大きな魅力ではないでしょうか。

また、自分に合った診療スタイルを選択できる点も大きな魅力の一つです。手術が好きな先生は、非常に多岐に渡る手術を経験することができます。ロボット手術、腹腔鏡手術、開腹手術、内視鏡手術など、近年の泌尿器科手術の進歩は目覚ましく、様々な種類の手術があり、実際の手術手技はとてもバリエーションに富んでいます。かといって、手術があまり得意ではない先生や結婚?出産を経験した女性医師など、積極的に手術参加しづらい医師にとって、活躍の場がないわけではありません。近年の高齢化に伴い、排尿障害は大きな問題となっておりますし、治療も尿流動態学的な評価を科学的に行ない、内服薬の決定などを行っています。また、勃起不全なども薬物療法が主体となりますし、腎移植患者の管理などは内科的管理が主体となりますので、手術ができなければつとまらないことは全くありません。自分のライフスタイルにあった診療スタイルを選択することができるのも、泌尿器ならではの魅力だと思います。

当教室の紹介

和歌山県立医科大学泌尿器科学教室の歴史は、昭和20年に始まります。当初は、皮膚科学泌尿器科学教室として発足し、昭和39年7月に皮膚科学と泌尿器科学教室とに分離独立、金沢稔教授が泌尿器科学教室の初代教授として就任されました。その後、昭和50年12月に2代目教授として大川順正教授が、平成11年4月に3代目教授として新家俊明教授が就任されました。これまで、泌尿器科学領域全般にわたり、臨床、教育、研究を幅広く行ってきましたが、中でも、長年にわたり、和歌山市において多く発生した染料工場従事者における職業性膀胱腫瘍に関する臨床的、疫学的調査に基づいた膀胱癌化学発癌に関する基礎的研究、尿路結石発生に関する基礎的臨床的研究に関しては、本邦においても際立った成果を挙げてきました。

平成19年6月に神戸大学泌尿器科学教室より、原勲教授が4代目教授として就任され、現在の教室体制となったわけですが、当教室の魅力は『若手医師もチャンスが得られる環境』と、何より『教授から若手医師まで非常に仲の良い医局』であることだと思います。

2016年10月現在、当教室の医師は原教授を含め12名であり、その半数以上が卒後10年目に満たない若手医師で構成されています。若手医師中心の医局ではありますが、Da Vinciを用いたロボット手術や腹腔鏡手術、腎移植手術も含めた多種多様な手術に加え、外来?病棟業務、学会活動や論文執筆など、様々な業務を幅広く行っています。そのため、若手医師が得られるチャンスも非常に多く、研修医の先生にも積極的に手術に参加してもらったり、定型的な手術であれば若手医師が手術執刀医を務めたりすることも少なくなく、また、早い時期から外来診療に従事することも可能です。また、臨床のみならず、学会活動にも積極的に参加でき、論文執筆や基礎研究についても上級医師から熱心な指導を受けることが可能です。努力すればするほど『若手医師もチャンスが得られる環境』であることは、学生や研修医の皆さんにとっても大きな魅力なのではないでしょうか。

また『教授から若手医師まで非常に仲の良い医局』であることも大きな魅力の1つです。他大学と比較するとやや小規模な教室かもしれませんが、原教授を中心とした団結力は他施設には負けない自信があります。飲み会ではいつも原教授の周囲が楽しく盛り上がることからも、当教室の魅力を感じて頂けるのではないでしょうか。花見や医局旅行といったレクリエーション行事もあり、本当に仲の良い医局です。

高齢化社会が進み、泌尿器科のニーズは増える一方です。特に和歌山では、他の科に比べても泌尿器科医師はまだまだ不足しており、逆に多くのチャンスが得られる環境にあると思います。この記事を読んで、学生や研修医の皆さんに少しでも泌尿器科に興味を持って頂き、当教室で共に切磋琢磨できる日が来ることを心より楽しみにしています。
皆さんが志望科や医局を決めるときに生じる“迷い”や“戸惑い”に対してQ&Aの形式でお答えしています。私たちの教室に興味を持たれた場合や、さらなる疑問が生じた場合は、メールで是非ご連絡ください。(お問い合わせ先はこちら

よくあるご質問

Q1:後期研修プログラムはどうなっていますか?

卒後臨床研修から泌尿器科専門医や学位の取得まで一貫したシステムができています。
(別ページ参照、リンク)

Q2:留学はできますか?

最先端の泌尿器科医療および研究を学ぶべく、国内外を問わず積極的に留学を推奨しています。
国内留学としては、現在、大学院生が札幌医科大学病理学教室で腫瘍免疫学の研究を行っています。
また、海外ではこれまでにJohns Hopkins Universityをはじめ、University of Pittsburgh、University of Massachusettsなどへの留学経験があります。
また、原教授の留学先でもあるMemorial Sloan-Kettering Cancer Centerなど豊富な受け入れ先を確保しています。

Q3:関連病院はありますか?

当教室の特徴のひとつは関連病院の質が高いことです。和歌山県下のおよび大阪府下南部の主要な公立病院が網羅されています。全国的に医師引き上げの風潮にある中、現在、12施設に教室から泌尿器科医を派遣して地域医療に大きく貢献しています。また、和歌山県南部の病院は自然にも恵まれ、温泉、釣り、おいしい魚介類などが日常診療で疲れた心を癒してくれることでしょう。なお、各自の勤務先については、年に一度希望調査を行い、できるだけ本人の希望に沿った人事異動ができるよう配慮しています。

Q4:和歌山県立医科大学卒業でなくても大学スタッフや部長になれますか?

当教室に入局した他大学(佐賀医大、香川医大、大分医大、近畿大学など)出身の先生が大学や関連病院に勤務しています。
他大学出身者も和歌山医大卒業者も全く同じシステムで研修しており、将来的に大学スタッフや関連病院の部長としての活躍が可能です。
自学出身者のみで教室をつくり上げるのは、教室の発展や社会的要請に応える上でも望ましくありません。全国より優秀な人材を集めて医局の発展を図ることが大切だと考えています。

Q5:泌尿器科のドクターは男性がほとんどみたいだけど、女性でもやっていけますか?

当教室には、これまでに6名の女性医師が入局し活躍しています。
全国的にも女性の泌尿器科医が増加傾向にあり、日本泌尿器科学会も積極的に女性泌尿器科医の育成を進めています。
女性に多い尿失禁や尿路性器脱などを対象としたFemale Urologyといわれる分野が確立していますし、泌尿器科全般としても高齢者が多いため、優しい女性医師の診療を受けて喜ばれている患者さんが多くみられます。

泌尿器科医が不足している現状や泌尿器科診療の特性からみても、多くの女性医師の参入が求められており、当教室では結婚後の勤務先、出産?育児休暇などの環境に配慮することによって優秀な女性泌尿器科医に活躍して頂くことが地域医療の充実や教室の発展に重要であると考えています。

行事紹介

4月 お花見

当病院は花見の名所である紀三井寺が近く、医局員だけでなくコメディカルの方々も含めてお花見を行っています。

5月 海外学会

2016年5月には、アメリカのサンディエゴで行われた学会に数名が参加しました。
学会で最新の知見にふれ、今後の臨床、研究に対しての刺激をうけました。
夕方には、メジャーリーグ観戦も行いました。

6月 医局旅行

2015年6月の医局旅行はバスをチャーターし、京都へ!太秦映画村ではグループにわかれて自由行動。嵐山の旅館に泊まり、美味しいお食事と温泉で日ごろの疲れをいやし、その後は部屋でトランプ等をして楽しみました。
2日目はスリル満点の保津川下り!その後は個々に京都の街を散策して楽しみました。